黄斑疾患

加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性は、網膜にある黄斑の老化によって起こります。
加齢黄斑変性は、加齢により網膜の中心部の黄斑が変化し、見ようとしている物が見えにくくなる病気です。

目の内側の組織である網膜のほぼ中心に位置する黄斑には、ものを見るために重要な視細胞が集中しています。その大切な黄斑の組織に、老化に伴なった変化が起こり、疾患に至るのが加齢黄斑変性です。加齢黄斑変性症、加齢性黄斑変性症と呼ばれることもあります。
加齢黄斑変性にかかると、黄斑の細胞が萎縮したり、老廃物が溜まったりして機能が低下します。さらに炎症や異常な血管の発生により出血などが起こると、視界の中心である一番見たい物が見えづらくなってしまいます。

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加齢黄斑変性は、
日本でも増加しています。

加齢黄斑変性は、視力がかなり低下してからでないと気づかないことが多く、進行すると失明の可能性も少なくありません。米国では既に65歳以上の中途失明の原因のトップになっています。これまでは欧米人に多い眼疾患とされていましたが、近年では高齢化などにより、日本人にも急増している病気で、50歳以上の約80に1人の割合で発生が報告されています。日本での失明原因の第4位となっています。
現在のところ決定的な治療法は確立されていませんでしたが、最近いくつかの治療方法が新たに開発され、多くの患者さんに視力の維持や改善が得られるようになってきました。

加齢黄斑変性の種類

加齢黄斑変性は、大きく分けて滲出型(wet type)と萎縮型(dry type)の2種類があります。

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滲出型(wet type)

脈絡膜から、新生血管(新しい脆い血管)が網膜下や網膜色素上皮下に生えてきて、出血や溶血を起こします。この血管からでた液体が黄斑にダメージを与え、急激な視力低下を起こします。

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萎縮型(dry type)

黄斑の組織が加齢と共に、網膜色素上皮や脈絡膜毛細血管板の委縮を起こすもので、急激な視力低下は起こしません。

加齢黄斑変性の症状

このような症状は
ありませんか?

  • 視力低下
  • 視野が欠ける
  • 視界の一部がゆがむ
  • 視界が部分的に黒くなる
  • 視野が暗くなる
  • 視野がぼやける

加齢黄斑変性を発症すると、見たいところが見えない、読みたい文字が読めないという、とても不便な状態になってしまいます。何も対処しないと、どんどん進行していきます。「歪んで見える」「ぼやけて見える」「不鮮明になる」「中心が黒くなる」症状は片方の眼から現れることが多く、もう一方の目が視力を補って気づかない場合があります。年齢のせいにしてそのままにしてしまうことも少なくありません。

黄斑疾患の見え方
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正常な見え方
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中心が歪む
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正常な見え方
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中心が黒くなる
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正常な見え方
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中心が不鮮明
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正常な見え方
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中心がぼやける
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加齢黄斑変性の検査

眼底検査、光干渉断層計(OCT)、光干渉断層血管撮影、蛍光眼底造影検査などで、閉塞している血管の部位、範囲、障害のされ方、黄斑部の浮腫の有無などを評価します。

加齢黄斑変性の治療

硝子体注射

副腎皮質ホルモン薬や抗VEGF薬を硝子体注射によって、黄斑浮腫を改善します。

光線力学的療法

ビスダイン®という光感受性物質を点滴した後に弱いレーザーを病変部に照射し、脈絡膜新生血管を閉塞させます。

症状が軽度のものに関しては、定期的な経過観察をおこない、症状が進行しているものに関しては、点眼薬・内服薬を使用する場合もあります。重症例に関しては、硝子体内注射の適応があるかどうかを、実際に硝子体注射をこなっている施設にて、検査を受けていただく場合があります。最近では、サプリメントの内服をしていただくケースも多く、サプリメントの選び方も併せてご説明いたします。

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