近視治療

近視の治療方法

近視のほとんどは軸性近視(目の奥行きが長くなったこと)が原因のため視力や目の形を戻すことはできないと言われています。そのため近視の治療の目的は主に近視の進行を抑制することを指しています。近視は20代後半まで進行すると考えられているため、いかに進行を抑えるかが重要です。近視の治療は主に以下の4つがあります。

WOC(ワック)

近くを見続けて眼の筋肉(毛様体筋)が緊張してピント調節がうまくいかない仮性近視の場合に効果的な治療です。専用の機械を使うことで眼の緊張をほぐすことができます。機械を覗き込んで表示される画像を見ることで遠くを見るのと同じ効果が得られます。また、近くを見続けると目線が寄り目になっているので、目線が平行に戻るための運動などで目の緊張をほぐします。一時的な近視ではなく視力が低下している場合は効果が感じられない可能性があります。2~3か月継続して改善されない場合はメガネを作ることを検討しましょう。

WOC(ワック)

低濃度アトロピン点眼保険適応外

毎日寝る前に両目に1滴ずつ点眼することでピント調節をする毛様体筋を緩めたり、眼軸(眼の奥行き)が長くなるのを抑制することで近視の進行を抑制します。個人差はありますが、2年間継続することで使用しない場合比べて近視の進行が40%軽減すると言われています。

メリット
  • 近視の進行を軽減する
  • 毎日寝る前に1滴点眼するだけでよい

オルソケラトロジー保険適応外

特殊なハードコンタクトレンズを毎晩着けたまま寝ることで視力矯正して近視の進行を抑える治療法です。(6時間以上の使用が目安)角膜矯正用のコンタクトレンズで角膜の表面を平坦にすることでピントが合うように矯正します。
個人差はありますが、1~2か月の間毎日使用することで裸眼でも視力が維持できる時間が増えていきます。使用を中止すると角膜は元の形状に戻るためオルソケラトロジーは日中の視力改善だけではなく、眼軸が伸びるのを抑制する効果が確認されていて近視抑制効果があることがわかっています。

オルソケラトロジー
メリット
  • 手術不要
  • 日中は裸眼で過ごすことができる
  • 若年の方の近視抑制効果がある
おすすめ
  • 裸眼で過ごしたい方
  • コンタクトのつけ外しが難しい方
  • レーシックができない方

多焦点コンタクトレンズ

1枚のレンズに遠くを見る度数と近くを見る度数が配置されているソフトコンタクトレンズです。一般的には老眼のための遠近両用コンタクトレンズとして知られています。網膜上でピントが合うようになるため眼の負荷が軽減し、軸外収差理論の観点から近視進行抑制効果の報告が増えている治療法です。同心円タイプ(日本未発売)、中心部を遠くが見えるように設計されたタイプ、および最近発売された焦点深度拡張型が近視の進行を抑える効果があると確認されています。

多焦点コンタクトレンズ
オルソケラトロジーとの違い
  • オルソケラトロジーはハードコンタクトレンズですが、多焦点コンタクトレンズはソフトレンズです。そのため装用時の違和感を感じにくく、慣れやすいです。
  • 1日使い捨てなので衛生的です。
  • 寝てる間ではなく、日中使用します。